特集 外傷
6.外傷におけるドレーン管理
工藤 大介
1
,
佐々木 淳一
2
Daisuke KUDO
1
,
Junichi SASAKI
2
1東北大学病院 高度救命救急センター
2慶應義塾大学病院 救急科
pp.511-520
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100320
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外傷患者を集中治療室で引き継ぐ際,処置や手術などでドレーンが挿入・留置されていることが多い。また病態の変化に応じて,集中治療室でドレーンを挿入するケースもある。本稿では集中治療室で管理する頻度が高いと予想される胸腔ドレーンおよび腹腔ドレーンと,頻度は高くはないが前二者と同様に体幹部に挿入・留置される心囊ドレーンについて概説する。
胸腔,腹腔,心囊に留置したドレーンの管理は,外傷よりもむしろ内因性疾患やその術後に行うことが多いが,ここでは外傷における管理の特殊性に重点を置く。緊張性気胸や大量血胸に対する胸腔ドレーン,腹腔内出血や腸管穿孔に対する腹腔ドレーン,心タンポナーデに対する心囊ドレーンなど,いずれも緊急度・重症度ともに高い病態に対する治療に用いられており,その管理次第で救命の成否にかかわることもある。エビデンスレベルの高い文献が多い分野ではないが,今ある文献を吟味して現在の標準と考えられるドレーン管理方法を説明する。
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