特集 重症感染症
5.下痢と重症感染症
成田 雅
1
Masashi NARITA
1
1太田綜合病院附属太田西ノ内病院 総合診療科
pp.57-70
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100260
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下痢はプライマリケア領域では,よくある臨床症候である。消化器感染症のみならず,全身性の重症感染症,例えば敗血症やレジオネラ肺炎の初期症状としての下痢を救急外来で経験することもある。感染症以外の原因も多彩であり,鑑別に気を配る必要がある。多忙な救急外来にて「急性胃腸炎」と診断された疾患のなかには,原因となる感染症,それ以外の疾患が隠れていることがある。また,病棟では,抗菌薬関連下痢症はよくみられる疾患である。
本稿では,総論で下痢から考えうる疾患の鑑別について述べる。各論では市中の感染性下痢症の代表疾患であるカンピロバクター腸炎,腸管出血性大腸菌感染症,そして院内発症の下痢の代表であるClostridium difficile感染症(CDI)に関して言及する。
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