特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第5章 感染症
感染性下痢症
相野田 祐介
1,2,3
1東京医科大学八王子医療センター感染症科
2日比谷クリニック渡航者外来
3東京都立松沢病院感染症科
pp.733-735
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_733
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診断基準
下痢症の定義についてはさまざまな意見があるが,一般に24時間以内に3回以上の緩い排便または水様性排便があるものを下痢症としている1).単なる固形便の複数回通過だけでは定義上,下痢症に当てはまらない.下痢症のうち,細菌やウイルスや寄生虫など微生物による下痢症を感染性下痢症とよぶ.感染症によらない下痢症は非感染性とされ,浸透圧性(下剤など腸管内に浸透圧の高いものがあることによって,水分が吸収されずに下痢となる)やぜん動運動性(食事の極端な変化や環境の極端な変化による腸管運動の亢進)や,感染性以外の分泌性(アレルギーや薬剤など)などがあげられる.
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