連載 M&Mケースファイル
第3回:入浴中に意識障害で発見された重症肺炎の死亡症例
JSEPTIC(日本集中治療教育研究会)
pp.648-654
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100238
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M&Mケースファイルは今回で3回目である。今回は,仮定の症例による誌上M&Mとして,臨場感あふれる会話形式とした。発表者のみならずmodulatorとしての司会者の役割も含めて,カンファレンスの進め方を理解していただけると幸いである。
M&Mカンファレンスは,いわゆる症例検討会とは異なる。症例検討会のように1つの疾患,1つの病態を詳しく調べ論じることも必要ではあるが,M&Mカンファレンスでは患者に不利益となったと思われる事柄を全般的に広く,数多く取り上げることが重要と考えている。問題点を数多く取り上げる習慣は,必ず日常の診療での思考回路で生かされると考えられる。この問題点をピックアップする作業は,発表者のみならずカンファレンス参加者全員に要求されるべきであり,司会者も同様にいかに多くの問題点を取り上げ,うまく整理・統合していくかということで技量が試される。欧米式のM&Mは,悪く言えば他人の症例のあらを探している状態であり,波風を立てることをよしとしない日本人の風潮になじまないが,より建設的に学究的に考え,率直な議論と根拠のある討論を繰り返すことで,参加者全員の臨床知識は高まり,普通の症例検討会よりはるかに充実した時間となる。
今回は30分で1症例の検討を行うM&Mを仮定して話を進める。
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