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若手育成の教育プログラムをどう作っていくか
──『ミラー麻酔科学』(武田純三監修,MEDSi,2007)によると,「集中治療医の約80%が呼吸器系の内科医で,それまで多かった麻酔科医は少なくなっている」とあり,意外でした。これは,周術期管理として麻酔科医の担っていた集中治療が,より専門性の高い独自性を確立してきたからなのではないかと勝手に解釈しています。さらに,患者背景により内科的ICU・外科的ICUのように分類されてきたICUが,現在では,職員の配置により開放型・閉鎖型で,米国の大部分のICUは開放型に分類され,さまざまな科の医師がICUに患者を入院させ,そこで主治医として管理し,必要に応じて集中治療の専門家の助けを借りる,とあります。で,重症患者の治療が複雑になるにつれて,集中治療の専門家の重要性が認識され,ICUには“集中治療医学の認定資格を持った医師”を責任者として配置すべきだ,と。その責任者の役割には,ICUでの患者管理の質と安全の確保,治療成績の改善はもちろん,スタッフの教育ということがあり,これは若手を育成するうえでとても重要になってきます。
日本の集中治療の発展に寄与することを理念とするJSEPTICの目的に,グローバルスタンダード(世界標準)な集中治療を推進すること,それから若手の集中治療医学を担う医師の育成と支援ということがあります。そこで,今日お集まりいただいた,それぞれの専門性のある集中治療を維持されている皆様に,それぞれの施設の特徴,特に教育,教育プログラムに焦点を当て,その独自性,それから問題点や不足部分,それをどう解決し,補っていくかについてお話いただきたいと思っています。
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