特集 不整脈
4.心房細動治療の科学と実践:洗練された心房細動治療とは?
(3)心房細動におけるrate controlについて―集中治療において慢性心房細動の結果をどう考えるか
庄司 正昭
1
,
山下 武志
1
Masaaki SHOJI
1
,
Takeshi YAMASHITA
1
1心臓血管研究所付属病院 循環器科
pp.765-769
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100157
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心房細動は心房収縮の消失や不規則かつ速い心室レートなどのため循環動態を悪化させ,心不全の発症・増悪を促進する。また,そのための動悸や呼吸苦の症状を訴え,集中治療・救急対応となることが多い。集中治療において心房細動への治療の介入が必要な時を考えてみると,①頻脈による症状,②頻脈による心不全,③頻脈による血行動態の破綻,の3点の場合がほとんどであろう。そのいずれに対しても,基本的治療戦略としてrhythm controlとrate controlの2つの異なる治療戦略が存在する。しかしながら,③に関しては,生命維持にかかわる血行動態を直ちに改善しなければならず,早期の電気的除細動が必要であるため,本稿ではあえて論じない。ここでは,心房細動に対するrate controlの選択について,その適応と妥当性についてみていく。
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