特集 急性膵炎
3.SDDとプロバイオティクス
木村 康利
1
,
巽 博臣
2
,
今村 将史
1
,
平田 公一
1
Yasutoshi KIMURA
1
,
Hiroomi TATSUMI
2
,
Masafumi IMAMURA
1
,
Koichi HIRATA
1
1札幌医科大学 第一外科
2札幌医科大学 救急・集中治療医学講座
pp.621-627
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100090
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重症急性膵炎患者に対する選択的消化管除菌selective decontamination of the digestive tract(SDD)と,プロバイオティクスprobiotics・プレバイオティクスprebiotics・シンバイオティクスsynbioticsによる栄養補助療法は,経腸栄養法における応用的制御療法として行われている。しかし,これらの有用性については,現在も明確なエビデンスが見いだされておらず課題として存在する。『急性膵炎診療ガイドライン2010(第3版)』では,SDDの推奨度はC2(十分な科学的根拠がないので明確な推奨ができない),プロバイオティクス製剤については,本文中の説明記載のみでClinical Question(CQ)や推奨はなく,多くの臨床医は,SDDあるいはプロバイオティクスにどのように向き合うべきか迷いためらっているのが現実と推測される。
本稿ではこれらの治療概念の背景,エビデンスを整理し,我々の施設での適用も紹介しながら重症急性膵炎での有効性について検討する。
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