特集 モニター
12.SvO2,ScvO2―測定原理,臨床的意義,注意点
外 須美夫
1
Sumio HOKA
1
1九州大学大学院医学研究院 麻酔・蘇生学
pp.307-312
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100047
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肺動脈カテーテルの先端に装着したオキシメータによって混合静脈血酸素飽和度mixed venous oxygen saturation(SvO2)を連続的に測定できるようになったのは,1971~1973年のMartinらの報告1~3)以降である。それまでは,肺動脈に挿入したカテーテルから血液を採取してSvO2を測定していたが,非連続的な測定でありモニターとしての有用性には限界があった。Martinら3)は,カテーテルの先端に2波長の光を発生させ反射光から酸素飽和度を測定できる装置を作製し,現在のSvO2モニターの端緒を開いた。その後,ファイバーオプティックカテーテルの開発,改良,製品化が進み,現在は安定した高精度のSvO2モニター装置が,手術室や集中治療室,循環器領域で広く用いられている。
一方,中心静脈血酸素飽和度central venous oxygen saturation(ScvO2)の連続測定装置は,2001年にRiversら4)が重症患者管理での有用性を報告し,それを受けて2002年にエドワーズライフサイエンス社が製品化して発売を開始した。その後,欧米を中心にScvO2連続モニターが広く用いられるようになっている。
以下,本稿ではSvO2とScvO2の測定原理,臨床的意義,注意点をまとめる。
Copyright © 2011, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.