症例ライブラリー これ,人工心肺から離脱してOK?
巻頭言
小原 伸樹
1
1福島県立医科大学 麻酔科学講座
pp.1029
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202693
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- 文献概要
人工心肺の装着や離脱時における麻酔管理は,この分野特有の難しさがあるため,最初は戸惑うはずだ。それでも,指導医のもと数回経験すると,それほど難なく終えることができるようになる。
しかしある日,次のようなことが起きる。
人工心肺離脱にあたり,“いつもどおり”に投薬の調整や,人工呼吸管理を行っているはずなのに,どうも心臓の動きが悪いし,バイタルサインも望ましくない。何かがおかしい気がするが,確信をもてない。自信がないので,目の前にいる大ベテランの執刀医や人工心肺技師たちに,懸念の一言が出せない。躊躇しているうちに,麻酔科医を尻目に対処が進んでしまうことすらある。
今回の症例ライブラリーでは,このような状況で,麻酔科医が自信をもってチームの一員として協議するために,もっていたほうがよい背景知識と考え方を取り上げた。
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