特集 病院のサステナビリティ―事業継承を考える
巻頭言
神野 正博
1
1社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院
pp.581
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101746
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ナショナル・フラッグ・キャリアとして燦然と輝き,誰もがあこがれ,大学生による就職志望ランキング上位の常連であった日本航空.経営再建中のこの巨人は本年1月19日,東京地裁に会社更生法の適用を申請した.グループの負債総額は戦後最大となる2兆円に上るという.これに対して国は9,000億円規模の公的資金を投入し,日航は事実上,国の管理下で3年以内の再建を目指すことになった.同じく公的資金として総務省は毎年8,000億円規模の交付税を自治体病院に注入し,地域医療の確保に躍起となる.公益的な医療を提供する自治体病院事業の永続性を図るための必要な資金であるという.
今回の大型破綻を通して,企業の持続可能性(サステナビリティ)が問われている.そして,病院でも公私を問わず,公益性の高い事業体として組織の持続可能性のために何が必要か問われているといってよいだろう.
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