特集 地域の医療を残すために—病院の統合・再編
巻頭言
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部
pp.327
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210951
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わが国の病院の病床数は,1961年の国民皆保険の達成,高度経済成長による国民の所得向上,さらには1973年の老人医療費の無料化などを契機として急激にその数を増やしてきた.1985年の医療法改正により,都道府県における地域医療計画の策定と病床の規制が実施されたものの,その後の駆け込み増床を含め,1992年には168万床に達するに至った.
OECD Health Statistics 2018によると,わが国の人口1,000人当たりの病床数は13.1床で,米国2.8床,英国2.6床,ドイツ8.1床,フランス6.1床に比べても多い状況にある.人口1,000人当たりの臨床医師数は,日本2.43人,米国2.58人,英国2.82人,ドイツ4.19人,フランス3.15人で,世界的に見ても過大な病床数に少ない医師が分散配置され,過酷な勤務体制を生んでいる面がある.
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