症例ライブラリー 術後の覚醒遅延
虫垂切除術後,呼びかけに反応が悪く開眼しない
紺野 大輔
1
,
外山 裕章
1
Daisuke KONNO
1
,
Hiroaki TOYAMA
1
1東北大学大学院医学系研究科 麻酔科学・周術期医学分野
キーワード:
甲状腺機能低下症
,
偶発的低体温症
,
甲状腺刺激ホルモン
Keyword:
甲状腺機能低下症
,
偶発的低体温症
,
甲状腺刺激ホルモン
pp.630-632
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202571
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76歳の女性。身長150cm,体重60kg。ADLは自立していた。数日前から右下腹部痛を訴えていたが,本日になって反応が乏しくなったため,家人の連絡により救急搬送された。
来院時のバイタルサインは,Glasgow coma scale(GCS)E3V4M6,血圧120/70mmHg,心拍数110bpm,体温35.8℃。生化学検査では血清総蛋白5.8g/dL,アルブミン2.8g/dL,血中尿素窒素43mg/dL,クレアチニン1.1mg/dLと低蛋白と腎機能の低下を認めた。電解質はNa 132mEq/L,K 5.0mEq/L,Cl 96mEq/L。血算では白血球数16800/μL,ヘモグロビン(Hb)10.8g/dL,血小板数21.8万/μLであり,凝固機能に異常を認めなかった。心エコー検査では壁運動異常や弁膜症は認めず,下大静脈径は18/6mmと呼吸性変動を認めた。腹部CT検査で虫垂炎穿孔に伴う汎発性腹膜炎を認めたため,緊急で腹腔鏡下虫垂切除術を施行する方針となった。
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