徹底分析シリーズ 日帰り手術の麻酔
日帰り手術の周術期管理—ERASを達成することが求められる
阿部 世紀
1
Seiki ABE
1
1聖路加国際病院 麻酔科
pp.335-339
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202491
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日帰り手術のメリットとして,患者に対する手術侵襲や麻酔薬の影響をなるべく抑えようとすることや,術後を病院でなく自宅で過ごすために患者はある程度動かざるを得ず,結果として早期回復が促されることが挙げられる。近年,早期回復を目指すERAS(enhanced recovery after surgery)が入院手術において浸透してきている。術前の絶飲食を安全な範囲で可能な限り短くして,前投薬は極力控え,術中はより低侵襲な手技を用い,チューブ類は最小限とし,短時間作用性の麻酔薬や鎮痛薬を用いて,術後は適切な鎮痛と悪心・嘔吐の予防を行い,できるだけ早くから体を動かし,飲食を開始する。今や周術期管理の基本となっているこれら要素を達成することが,日帰り手術の麻酔に求められることである。
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