増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅰ章 周術期管理・総論
ERASの現状
福島 亮治
1
Ryoji FUKUSHIMA
1
1帝京大学医学部附属病院上部消化管外科
pp.8-10
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212643
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ERASは,enhanced recovery after surgeryの頭文字をとった周術期管理プログラムであり,欧州で商標登録されている.わが国では“術後回復力強化プログラム”などと翻訳されることが多い.一言でいえば“早く合併症を起こすことなく回復し,早く退院できるようなプログラム”である.その目的を達成するためにevidence basedの,さまざまな周術期管理法(elements)を集学的に実行する.“fast-track surgery”,“enforced multimodal rehabilitation program”,“accelerated rehabilitation care”などとも呼ばれ,世界的にその普及がすすんできた.わが国でも日本外科代謝栄養学会がESSENSE(ESsential Strategy for Early Normalization after Surgery with patient's Excellent satisfaction)プロジェクトを立ち上げている1).
本稿では,ERASのこれまでの歩みと現状について概説する.
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