徹底分析シリーズ この症例 全身麻酔は可能ですか?—麻酔のリスクをどう評価するか
コラム:呼吸器内科医が手術はダメとするのはどんなとき?
前澤 貴
1
,
吉田 健史
1
Taka MAEZAWA
1
,
Takeshi YOSHIDA
1
1大阪大学大学院医学研究科 麻酔集中治療医学教室
pp.46-48
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202425
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呼吸器内科医が手術不可と判断するのは,術後呼吸器合併症postoperative pulmonary complications(PPC)のリスクが高いと判断されるときである。PPCは頻度の高い合併症であり,一般外科手術後の5〜10%,胸部・腹部手術後では最大30〜40%に発症する1)。PPCを発症した患者の30日死亡率は,PPCがない場合(0.2〜0.3%)と比較して14〜30%に増加する2)。PPCには,無気肺,肺炎,慢性肺疾患の急性増悪,全身炎症に伴う非心原性肺水腫など,さまざまな病態を含む。
本稿では,PPCのリスク評価方法,危険因子,術前検査について述べ,呼吸器内科医がどのようなときに手術不可と判断し,どのような介入が必要かについて述べる。
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