徹底分析シリーズ 患者安全 基本の「き」
コラム:ダメ,絶対!薬物濫用の危険性
後藤 隆久
1
Takahisa GOTO
1
1横浜市立大学大学院医学研究科 麻酔科学
pp.344-347
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200174
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薬物濫用・依存は,麻酔科医,特に若い麻酔科医にとって深刻な問題である。麻薬など依存性のある薬物が簡単に手に入る環境で働く麻酔科医は,ほかの診療科の医師より薬物依存になりやすい。しかし,一度薬物に手を染めてしまうと,そこからの医業への復帰,少なくとも麻酔科医の仕事への復帰は,現状ではきわめて困難である。
本稿では,麻酔科医にとって薬物濫用・依存がどの程度深刻な問題なのか,どうやって防げばよいのか,万一,薬物依存に陥ってしまった場合,どうやって復帰するか,そもそも麻酔科医として復帰できるのか,について述べる。
なお,麻酔科医の薬物濫用については,2008年にAnesthesiology誌に詳細な総説1)が巻頭言2)付きで掲載されており,大きな反響を呼んだ。この総説と巻頭言,およびそれに続く一連のCorrespondence3)は,ぜひご一読いただきたい。
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