連載 再考します 臨床の素朴な疑問・第1回【新連載】
服の上から聴診してはダメ? 血圧を測定してはダメ?
森 雄司
1
Yuji MORI
1
1静岡医療センターリハビリテーション科
pp.84-85
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202184
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理学療法士は,診療業務において血圧測定,聴診,触診などバイタルサインの測定やフィジカルアセスメントの際に,患者の肌に触れる機会が多い.日本人の文化的特徴として,人前で肌をさらすことに対して抵抗があることは周知の事実である.
橋本ら1)は,女性患者の身体診察の抵抗感についての調査を実施しており,医師の診察においても腹部,胸部の診察には20〜30%の患者が,抵抗があると回答している.そのため,聴診をする際に服の上から実施する,血圧測定を実施する際に服の上から,または袖をまくり上げて測定する.このような行為は臨床で散見されるが,実際には正しく評価や測定ができていないとされている.本稿ではその根拠を再考し,解説していく.
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