徹底分析シリーズ 麻酔における臓器障害への対策①—症例から学ぶ臓器障害と合併症
麻酔後の急性意識障害—重篤な中枢神経系合併症を見逃さないための決断力を身につけよう!
植村 景子
1
,
林 浩伸
1
,
川口 昌彦
1
Keiko UEMURA
1
,
Hironobu HAYASHI
1
,
Masahiko KAWAGUCHI
1
1奈良県立医科大学 麻酔科学教室
pp.554-559
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202265
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全身麻酔薬を投与することで就眠させ,手術が終われば,すみやかに患者を覚醒させられるはず。しかし予定どおりに患者が覚醒しない,何かがおかしい…。
麻酔における急性意識障害の原因には,麻酔薬残存のようによくあるものから,中枢神経系合併症のように重篤なものまでさまざまである。予期せぬ急性意識障害に遭遇したなら,すぐさまその原因を鑑別する判断力が求められる。もし脳梗塞などの中枢神経系合併症を疑うなら,躊躇せず緊急で頭部CT検査を要求するような決断力が必要になる。
本稿では,全身麻酔後の意識障害・覚醒遅延の症例に対して,うまく対処できた例とできなかった例を提示し,そこから麻酔後の意識障害の一般的な原因とその対応の仕方について学びたい。
失敗から学ぶことは多い!!
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