徹底分析シリーズ 知っておきたいがん治療
免疫チェックポイント阻害薬使用患者の周術期管理について—致死的有害事象にいかに対処するか
柏井 朗宏
1
,
寺嶋 克幸
1
Akihiro KASHIWAI
1
,
Katsuyuki TERAJIMA
1
1公益財団法人 がん研究会有明病院 麻酔科
pp.56-59
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202158
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長年にわたり,がんに対する治療法は手術,放射線療法,化学療法が中心であった。近年の免疫療法に関する研究の進歩により,がん治療に新たな薬物治療法が増えた。中でも,免疫チェックポイント阻害薬immune checkpoint inhibitor(ICI)の登場は多くのがん種において,細胞障害性抗がん薬を上回る治療成績を示し,がん治療に大きな潮流の変化をもたらした。今やICIは,切除不能例を中心に多くのがん種において使用されている。ただし,副作用として自己免疫疾患に類似した免疫関連有害事象immune-related adverse events(irAE)が出現することもある。その症状や発現時期は患者によって多種多様であり,注意が必要である。
本稿では,麻酔管理上注意すべきICIのirAEを中心に述べる。
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