徹底分析シリーズ 知っておきたいがん治療
分子標的薬の概要と有害事象について—転移性腎細胞癌における小分子化合物スニチニブ投与と手術療法
新保 正貴
1
Masaki SHIMBO
1
1聖路加国際病院 泌尿器科
pp.38-44
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202156
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転移性腎細胞癌metastatic renal cell carcinoma(mRCC)には,1980年代以降インターフェロンを代表とするサイトカイン療法が長く標準治療であった。2006年に分子標的薬のうち小分子化合物のスニチニブ(スーテント®)の有効性が示され,一躍,未治療mRCCに対する薬物療法の主役となった。特に内服で治療可能になった点が非常に画期的であった。
現在では,さらに免疫チェックポイント阻害薬がmRCC治療の中心として取って代わりつつある。しかし,小分子化合物の役割は変化してきても,一定の役割がある。また,ほかの癌腫においても有効性が示されている。スニチニブを中心に,術前治療presurgical treatmentが行われた場合の周術期の注意点について考える。
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