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特集 Onco-nephrology:悪性腫瘍治療と腎機能障害
【抗がん薬・抗悪性腫瘍治療による腎機能障害】
分子標的治療薬による腎障害:病態と対策 低分子化合物薬
Renal involvement associated with targeted-cancer therapies:small molecules
桒原 孝成
1
KUWABARA Takashige
1
1熊本大学大学院生命科学研究部 腎臓内科学
キーワード:
マルチキナーゼTKI
,
可逆性
,
腎生検
Keyword:
マルチキナーゼTKI
,
可逆性
,
腎生検
pp.614-617
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000119
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はじめに
分子標的薬は1997年に登場して以降,飛躍的な進歩を遂げ,毎年のように新しい薬剤が登場している。腎臓内科医自身が分子標的薬を処方する機会は現在まだ限られているが,全身性エリテマトーデス(SLE)やリウマチ,リンパ増殖性疾患類縁疾患を含めた血液疾患など,二次性腎疾患を起こす原疾患の治療はもとより,これまで特発性と記載されることが多かった一次性腎疾患についても近年,発症機序が明らかとなってきていることから,近い将来,われわれ腎臓内科医にも身近な存在となる可能性が期待される。一方,優れた分子標的薬の登場によるがん患者の生命予後改善,腎疾患・透析患者の高齢化なども相まって,腎疾患患者に分子標的薬が処方される,あるいは分子標的薬投与中の腎機能低下や検尿異常によるコンサルテーションを受ける機会はすでに着実に増加してきており,新規薬剤も含めて知識をアップデートしながら診療にあたることが求められる。
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