連載 目から鱗のがん薬物療法—薬学的視点からみたケーススタディ[7]
進行性腎がんの分子標的治療薬スニチニブにおける薬剤師による副作用マネジメントとそのアウトカム評価
藤堂 真紀
1
1埼玉医科大学国際医療センター薬剤部
pp.517-521
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200239
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外来診療のなかで実施される分子標的薬治療と薬剤師の関わり
・近年、経口分子標的薬の導入により、かつて入院が主流だった抗がん薬治療は、外来での治療へと移行してきています。しかし、分子標的薬治療は高い効果を示す一方、多岐にわたる副作用が出現するため、通常の服薬説明のみでは外来通院の治療継続に必要な情報提供がカバーできない現状があります。このため、医師・薬剤師・看護師などのスタッフが連携した医療チームの的確な指導はもちろん、薬剤師による包括的かつ綿密な薬学的介入の必要性が高まっています。
・また、がん患者とその家族は副作用に不安を抱えていることがほとんどであり、治療を継続していくうえでメンタルヘルスやアドヒアランスを無視することはできません。医療チームによる綿密な副作用対策の構築に加え、アドヒアランス向上を目指した適切な患者教育、そして患者の理解に基づく自宅でのセルフケア管理は、もはや必須となっています。
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