徹底分析シリーズ 手術室での曝露の危険
余剰麻酔ガスによる健康被害の可能性—自身を守るだけでなく,未来への責任を果たすために
宮澤 典子
1
Noriko MIYAZAWA
1
1東京都立大塚病院 麻酔科
pp.1180-1185
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202133
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手術室の麻酔ガスによる環境汚染は1970年代から指摘されながら,いまだに解決されていない問題である。余剰麻酔ガス排出装置が各手術室に設置されたこともあり,麻酔ガス汚染に関心が向けられなくなっている。しかし小児患者に対しては,静脈穿刺を避けて麻酔ガスによる緩徐導入を行うため,手術室環境麻酔ガス濃度が高い可能性があると予想し,実際に測定してみると安全基準を超える測定結果が全測定数の約50%に認められた1)。環境麻酔ガス濃度の連続監視を行い,排出された麻酔ガスを回収して適切な廃棄を考える必要がある。この問題を解決するには産業界の支援も不可欠で,ぜひ助言をお願いしたい。
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