徹底分析シリーズ 手術室での曝露の危険
サージカルスモークによる健康被害とその対策—無名だったサージカルスモークがコロナ禍で大注目?
大越 香江
1
Kae OKOSHI
1
1日本バプテスト病院 外科
pp.1186-1192
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202134
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筆者は,電気メスを使ったときに発生するサージカルスモークが昔から苦手だった。特に肝臓や乳腺などの実質臓器を切開・焼灼するときの白煙が気になっていた。筆者は,その後,咳喘息と診断され,発作期にサージカルスモークを吸うと咳がひどくなることに気づいた。そこで「サージカルスモークは悪臭がするというだけではなく,実際に体に悪影響を与えているのではないか?」という疑問を抱き,文献検索をしたところ,さまざまな健康リスクが報告されていた。これはぜひ,外科医に知ってもらいたいと考え,『Surgery Today』(日本外科学会の英文誌)にレビュー1)を書いたのが,筆者とサージカルスモークとの出会いである。
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