徹底分析シリーズ 遠隔医療の現在地—現状を知り,われわれの仕事と社会的インパクトを考える
集中治療コラボレーションネットワーク(ICON)について—集中治療領域におけるICTの活用を推進する
橋本 悟
1,2
,
髙木 俊介
2,3
Satoru HASHIMOTO
1,2
,
Shunsuke TAKAKI
2,3
1京都府立医科大学附属病院 集中治療部
2NPO法人 集中治療コラボレーションネットワーク(ICON)
3横浜市立大学附属病院 集中治療部
pp.714-717
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202028
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日本では近年,働き方改革が最重要課題の一つとして注目を集めており,医療業界においても2030年問題と称されるごく近い将来に生じ得る高齢化,労働者人口の減少に向け,働き方についての変革が不可避とされている。加えて2020年にはCOVID-19パンデミックによって医療需給バランスの崩れなどの問題点が浮き彫りにされ,なかでも重症者管理における集中治療の体制不足が焦点となった。
この問題を解決する手法の一つとして,専門医の知見を活用して遠隔から集中治療の支援を行う遠隔集中治療システム(遠隔ICU)が注目されつつある。先進の米国では20年以上の歴史をもつシステムであるが,日本ではいまだに保険診療として認められておらず,ほぼ未開発の分野である。以上を背景に,日本集中治療医学会が中心となって遠隔ICUという日本にまだ根付いていないシステムを総合的に推進する団体として「特定非営利活動法人 集中治療コラボレーションネットワーク(Icu COllaboration Network, 略称NPO ICON)」を設立した。
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