特集 地域包括ケアの進化
医療連携・在宅ケアの推進に向けたICT活用とその進化
松本 武浩
1,2
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療情報学
2長崎大学病院 医療情報部
pp.596-601
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208490
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
Lancet誌は日本の国民皆保険50周年となる2011年に日本特集号「Japan:Universal Health Care at 50 Years」を発刊した.世界一の長寿を記録しながらも,対GDP比医療費は8.5%とOECD諸国中20位の低さである日本の医療は驚異的とされ,その成果が評価されている1).しかしながら,わが国の医療費は近年,年率2%前後で毎年増加しており,1000兆円を超えた財政赤字を助長している2).
また,2016年の高齢化率は27.5%と先進国中最も高い上,65歳以上の人口は2042年まで増え続けることが予想されており,超高齢化が医療費の高騰をさらに悪化させている3).一方で2025年は,第一次ベビーブーム時に生まれた団塊の世代が後期高齢者に達する年でもある.このため,以降の10年は最も医療を必要とし,病床は40万床以上不足すると試算されている4).
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.