特集 保健婦にとっての研究
II章 保健所の機能強化における研究
ジュニアヘルス推進ネットワーク事業
明石 悦子
1
,
佐甲 隆
1
1三重県伊賀県民局保健福祉部
pp.814-820
発行日 1998年9月25日
Published Date 1998/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901855
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要約
地域保健法の本格的な施行により母子保健,栄養改善事業は市町村に委譲され,保健所の市町村支援が重要な課題となった。当保健所でも市町村母子保健計画策定後の具体的な施策実現に向けて,さまざまな援助が求められている。そこで平成9年度より小規模町村等地域保健支援事業の一環として,1村をモデルに「ジュニアヘルス推進ネットワーク事業」を開始した。これは,従来よりうまく連携のとれていなかった市町村保健センターと学校保健分野との連携を通じ,調査研究や共同事業を行うなかで地域と学校,家庭を結び情報交換を図りながらネットワークを作っていこうとするもので,実務者間の連絡会議を継続的に開催し,乳幼児期から学童期を通じた保健の取り組みが可能になってきている。また,県立看護大学と連携することを通して,大学による市町村母子保健活動の客観的評価と支援活動により学問的にも刺激をうけ,深まってゆくことで保健婦が自らの活動に変化を起こしていく原動力となっていくことを期待している。専門性のより高い機関と地域を結びつけていくことも新しい保健所の課題であり,保健所の調査研究や企画調整の面での機能強化にもつながっていくと考える。
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