徹底分析シリーズ 外国人患者への緊急手術
Respire fundo!—ある市中病院の外国人患者への周術期対応
上原 博和
1
Hirokazu UEHARA
1
1豊田厚生病院 麻酔科
pp.516-520
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201983
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豊田厚生病院(以下,当院)は愛知県豊田市の市民病院的役割を担う約600床の地域中核病院です(図1)。豊田市は,ラグビーワールドカップ2019TM,東京オリンピック・パラリンピックの開催により来訪する外国人を温かく迎える体制づくりを含め,2018〜21年まで第2次豊田市国際化推進計画を掲げ,世界に開かれた国際まちづくりの推進のため「魅力あふれる国際交流都市」「安心して暮らせる多文化共生都市」を基本理念としています1)。豊田市の2020年10月における在住外国人は17725人(市総人口の4.2%)であり,そのうちブラジル人が最多の36%を占めるという地域特殊性が認められます。外国人住民意識調査において「日本語がまったく理解できない」人の割合は16.4%でした。2019年度における当院の外国人に対する手術は198人(全手術件数の3%)でした。このような環境において,外国人患者に対する麻酔管理の当院における取り組みについて「予定手術」「緊急手術」を想定した架空の症例を用いて解説します。
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