徹底分析シリーズ 血管穿刺:より確実に よりスマートに
ブラインド穿刺の理屈:末梢血管(静脈・動脈)穿刺—静脈・動脈それぞれの特徴をつかむ!
三股 亮介
1
,
秋吉 浩三郎
1
Ryosuke MIMATA
1
,
Kozaburo AKIYOSHI
1
1福岡大学医学部 麻酔科学教室
pp.378-382
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201954
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
体表から確認できる血管の穿刺は容易である。しかし,体表から確認できない場合にも,施行者の感覚を頼りに盲目的に穿刺しなければならない場面があるため,ブラインド穿刺は必須のテクニックである。ブラインド穿刺の成功率は,施行者の感覚や経験,穿刺する血管の性状に大きく左右され,68〜100%と報告されている1,2)。近年,より確実な方法として,超音波ガイド下穿刺が急速に普及しているが,皮膚表層に位置する末梢血管に超音波プローブを押し当てると,内腔が虚脱して逆にわかりにくいことがある。最近の1895人を対象とした超音波ガイド下穿刺とブラインド穿刺を比較したメタ分析の結果でも,超音波ガイド下穿刺は初回穿刺成功率を上げるものの,最終的な穿刺成功率に差はなく,穿刺に要する時間はブラインド穿刺のほうが短いと報告されている3)。“素早く”という観点では,ブラインド穿刺に軍配が上がる。
本稿では,末梢血管(静脈・動脈)のブラインド穿刺を解説する。必須のテクニックであるブラインド穿刺を身につけるとともに,超音波ガイド下穿刺習熟への橋渡しとしてほしい。
Copyright © 2021, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.