特集 がん薬物療法の看護技術
第Ⅰ章 投与管理
末梢静脈穿刺×血管外漏出予防
淺野 耕太
1
1京都第二赤十字病院看護部/がん看護専門看護師
pp.405-409
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango28_405
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はじめに
がん薬物療法における静脈穿刺は,看護師が行うがん看護の代表的な看護技術である.確実にカテーテルを挿入することで安全・安心な治療の提供につながる.一方で,提供した技術の結果によっては,血管外漏出,静脈炎などの血管トラブルにも影響する.血管外漏出は,「静脈内投与されるべき薬剤が血管周囲の皮下組織などに漏れ出ること」1)であるため,静脈穿刺は,血管から外に薬物が漏れ出ないように確実に血管内にカテーテルが挿入される技術が求められる.また,デバイスの選択,血管の選択などアセスメントも同時に行うことで,これらのトラブルを最小限にしていく.
本稿では,血管外漏出などトラブル予防を考慮した,がん薬物療法における末梢静脈穿刺を考えていきたい.
© Nankodo Co., Ltd., 2023