徹底分析シリーズ パルスオキシメータ:世界の患者安全を変貌させた発明
ネルコア:周術期連続オキシメトリが北米で使われ始めた頃 Nellcor: Continuous Perioperative Oximetry Comes to North America
David J. Steward
1
David J. Steward
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1ブリティッシュコロンビア大学麻酔薬理学
pp.266-267
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201927
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非侵襲的に動脈血の酸素飽和度を測定する装置は,早くは1942年に臨床導入されていた1)。当時の麻酔中の使用評価の報告はほとんどないが,小児扁桃腺摘出時の使用が1951年にモントリオールから報告されている2)。また同様の装置は1950年代のトロントでも,黎明期の乳児心臓外科手術で麻酔中のモニターとして使われていた3)。
しかし北米では1982年に至るまで,麻酔中のヘモグロビン酸素飽和度はルーチンでモニタリングされるものではなかった。経皮的酸素分圧(TcPO2)モニターが1976年に市販され,NICUではすぐに使われ始めたが,麻酔中の使用には適さなかった。麻酔導入による皮膚血流変化の影響や,使われる揮発性吸入麻酔薬の酸素電極への直接の干渉があり,信頼できる精度が得られなかったからである4)。
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