徹底分析シリーズ パルスオキシメータ:世界の患者安全を変貌させた発明
パルスオキシメトリとイノベーション Pulse Oximetry and Innovation—発明をイノベーションに導く力 What Makes an Invention Lead to Innovation?
荻野 博一
1
Hirokazu OGINO
1
1日本光電工業株式会社
pp.274-275
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201930
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2015年6月20日,私はニューヨークのWaldorf Astoriaホテルのボールルームで歴史的な瞬間を見守っていた。パルスオキシメトリの発明者である青柳卓雄博士が,古くはトーマス・エジソンも設立にかかわった世界最大の電気電子工学会IEEEから日本人として初めてMedal for Innovations in Healthcare Technologyを受賞することになったのだ。タキシード姿の博士は当時79歳であったが,毅然とした態度で壇上に登り,流暢ではないが,明瞭かつ力強い言葉で受賞の挨拶を述べ,盛大な拍手に包まれた1)。青柳博士,そして日本が生んだ発明が,世界中の医療安全に多大な貢献をしたことが世界に認められた瞬間であった(図1)。
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