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特集 これからの眼底血管評価法
Retinal oximetry
Retinal oximetry
林 篤志
1
Atsushi Hayashi
1
1富山大学医学薬学研究部眼科学講座
pp.1774-1779
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211649
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はじめに
網膜は組織あたりの酸素消費量が生体内で最大の臓器である。網膜には豊富な血流が脈絡膜血流と網膜血流の2つから供給されている。網膜の代謝状態を知るための手がかりの1つとして,網膜血管の酸素分圧や酸素飽和度の測定(retinal oximetry)が挙げられる。実際に臨床の症例で網膜酸素飽和度などの代謝情報を得るためには非侵襲的方法で安全に実施できることが望ましい。非侵襲的に網膜血管の酸素飽和度を測定する方法としてスペクトロフォトメトリーを用いる方法がある。
現在,わが国においては未認可であるが,アイスランドで開発され,すでに欧州では臨床使用に承認されているオキシマップT1(Oxymap社)は,その簡便性からいくつかの疾患で使用されており,各疾患における網膜血管の酸素飽和度に関する情報が増えつつある。筆者らもこのオキシマップT1を使用しており,オキシマップT1を用いての網膜血管酸素飽和度測定の方法や,いくつかの眼底疾患での網膜血管酸素飽和度の結果について述べる。
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