Japanese
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Bedside Teaching
パルスオキシメトリーの理論と実際
Principle and Application of the Pulseoxymetry
桑平 一郎
1
Ichiro Kuwahira
1
1東海大学医学部付属東京病院呼吸器内科
pp.73-78
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100010
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はじめに
血液ガスとは血液中に存在する全ての気体を意味するが,日常臨床では,酸素O2と二酸化炭素CO2を狭義の血液ガスとするのが通常である.動脈血ガス分析の目的は,低酸素血症や高炭酸ガス血症など,血液ガス・酸塩基平衡異常の病態生理学的原因を診断することにあり,日常診療上欠くことができない.約25年前,大学病院クラスでようやく動脈血ガス分析装置がルーチンとして使用されていた頃,毎朝,自分も当番医として分析装置のキャリブレーションをマニュアルで行っていた.現在は全自動のガス分析装置が広く普及しており,呼吸調節異常をはじめ,血液ガス・酸塩基平衡異常が疑われる場合には容易に動脈血ガス分析が行えるようになった.低酸素血症に限っては,パルスオキシメータの普及によって,ベッドサイドでも外来でも,救急医療の現場でも,誰でもいつでも瞬時に低酸素血症の有無を判定できるようになった.研修医の先生たちが普段当たり前のように測定している酸素飽和度Spo2は,世界に先駆けパルスオキシメータを開発した青柳卓雄氏の功績による.ここまで普及するようになったのは比較的最近のことである.
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