徹底分析シリーズ 末梢ルートトラブル—点滴漏れと薬剤性静脈炎
外来化学療法における対策—横浜市立大学附属病院における抗がん剤漏出対応
福本 毅
1
,
太田 一郎
2
,
堀田 信之
3,4
Takeshi FUKUMOTO
1
,
Ichiro OHTA
2
,
Nobuyuki HORITA
3,4
1神戸大学大学院医学研究科内科系講座 皮膚科学教室
2横浜市立大学附属病院 薬剤部
3横浜市立大学附属病院 外来化学療法センター
4横浜市立大学大学院医学研究科 呼吸器病学教室
pp.72-76
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201881
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注射薬の血管外漏出はさまざまな要因で生じ,皮膚障害を起こす頻度は0.5〜6%とされる。薬剤によっては,潰瘍・壊死を生じるなど重症化することもある。血管外漏出は熟練した医療従事者が静脈路確保を行っても(コメント1)一定確率で生じる合併症であり,抗がん剤投与前のインフォームドコンセントでは,主要な副作用とともに事前に説明しておくことが必要である。
漏出時の皮膚障害リスクは薬剤により異なるため,リスクの高い薬剤の投与のための血管確保は,より慎重な対応が必要である。また,漏出時の対応も薬剤により異なる。
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