徹底分析シリーズ 古くて新しい 炎症
心臓手術と炎症:人工心肺が惹起する炎症と術後合併症—予防・予後改善の方策はあるか!?
平田 直之
1
Naoyuki HIRATA
1
1札幌医科大学医学部 麻酔科学講座
pp.838-841
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201745
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人工心肺を用いた心臓手術では,手術侵襲,人工心肺,虚血再灌流,出血,輸血,体温変動など,さまざまな要因により全身性炎症反応が惹起され,術中の生体反応を生じるだけでなく,術後合併症の発生や死亡率などの長期予後へ影響を及ぼすことが知られている。心臓手術の予後に焦点を当てるのであれば,炎症反応が生じる病態生理に対する理解が必要である。
本稿では,手術侵襲や人工心肺が全身性炎症を生じる機序を概説し,周術期合併症との関連,その予防策や介入方法に関する知見について述べる。
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