徹底分析シリーズ もう一度始めるTIVA
TIVAにおける脳波モニターの見方—麻酔薬によって,私たちの脳波はどのように変化するのか
鎌田 ことえ
1
Kotoe KAMATA
1
1東北大学医学部 麻酔科学・周術期医学分野
pp.728-736
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201721
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全静脈麻酔(TIVA)をするとき,プロポフォールであればTCIポンプを用いるだろうし,その他の薬物は薬物動態シミュレータを用いて血中濃度や効果部位濃度を意識した管理をするだろう。では,麻酔薬の効果はどのように判定したらよいのか。TIVAにはBIS®(Medtronic-Covidien社,アイルランド)やSedLine®(Masimo社,米国)に代表される汎用麻酔深度モニターが必須であると筆者は考えている。心電図モニタリングの意義が,心拍数だけではなくST変化など異常波形の検出であるのと同じように,脳波モニタリング時には,BIS値などの“鎮静レベルを示す値”の変化に一喜一憂するのではなく,“波形変化そのもの”にも着目するようにしたい。
本稿では,日本で最も一般的なプロポフォールを主たる鎮静薬としたTIVAにおける脳波モニターの見方について述べる。
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