徹底分析シリーズ マイトラクリップ—経皮的僧帽弁接合不全修復システムに麻酔科医はどうかかわるか
MitraClipの周術期管理について—重症心不全症例では機械的循環補助も考慮する
大西 佳彦
1
Yoshihiko OHNISHI
1
1国立循環器病研究センター 麻酔科
pp.530-533
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201673
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投薬など内科的治療では改善が望めない重症左心不全に対する侵襲的治療として,さまざまな方法が試みられている。究極の治療法として心臓移植や左室補助装置(LVAD)装着などが挙げられる。また,心筋シートなどの再生治療も開始されようとしているが,まだ確立されてはいない。
重症の僧帽弁逆流mitral regurgitation(MR)に対しては,開心術による僧帽弁形成手術や弁置換術が選択されるが,侵襲性が高いため,その適応を十分に検討する必要がある。内科主導での侵襲的治療法としてIMPELLA®装着による左室補助もあるが,根本的な治療法とはならない。大腿静脈アプローチによるMitraClip®は,通常の開心術に比べると侵襲は非常に低く,高リスクであっても適応となる症例が少なくない。
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