症例カンファレンス
喉頭痙攣リスクのある乳児のアキレス腱皮下切腱術
辻 達也
1
,
加古 英介
1
,
祖父江 和哉
1
,
中楯 陽介
2
,
宮澤 典子
3
,
重本 達弘
4
Yosuke NAKADATE
2
,
Noriko MIYAZAWA
3
,
Tatsuhiro SHIGEMOTO
4
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野
2山梨大学医学部 麻酔科
3東京都立大塚病院 麻酔科
4地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター 麻酔科・ICU
pp.359-375
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201633
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今回の症例カンファレンスは,呼吸合併症リスクのある乳児の周術期管理をテーマとし,緊急性が高く,誰もが肝を冷やした経験があると思われる喉頭痙攣に焦点を当てた。
リスクを適切に評価し,安全な周術期管理を意識した麻酔計画を立てるため,考えの「引き出し」を増やすことを目的としている。確立した周術期管理方法がない場合,科学的に証明された明確な基準がないぶん,何を重視して周術期管理を行うかの判断は,各麻酔科医の経験や知識・技量による部分が大きいであろう。ましてや難症例となれば,周術期管理戦略に悩む場面も多いが,最終的には自身が積み上げてきた「引き出し」の中から一つを選択しなければならない。
また,不運にも喉頭痙攣による換気不全に陥ってしまったときのリカバリーも麻酔科医の腕の見せどころである。「引き出し」を整理整頓することが,危機的状況を救う一助になるだろう。
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