こどものことをもっと知ろう 第7回
小児の心機能—小児科医・小児集中治療医は何をみているか
安藤 寿
1
Hisashi ANDO
1
1北里大学医学部 小児科学
pp.968-971
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201482
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成人・小児を分け隔てなく診療する麻酔科医が読んでいるLiSAで,「小児の心機能について何を述べればよいか?」と考え,心臓のメインの機能である全身の血流を確保するポンプ作用における成人と小児の差異に注目することとしました。心血管系とそれを取り巻く臓器環境が成熟し,一定の形が構築された成人と比べ,小児では胎生期からの成長過程で,それらは大きく変化していきます。これらの“ライフステージに応じた変化”が,その差異を読み解くヒントとなりそうです。
“ライフステージに応じた変化”は,「胎内循環から胎外循環への生理学的変化」や「胎生期から始まる解剖学的異常」といった心血管系のみならず,全身を含んだ身体的・精神的成熟度を考慮する必要があります。具体的には心血管系の成長に伴う変化だけではなく,小児特有の視点で全身諸臓器の成熟,こどもの生活,こどもの嗜好性,こども自身の考え方など,「こども目線」でとらえていくとわかりやすいかもしれません。
では,小児における全身の血流が確保された状態がどのようなものか,“ライフステージに応じた変化”を含めて考えていきます。
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