連載 とらうべ
小児科医からみたお産
鈴木 洋
1
1鈴木こどもクリニック
pp.445
発行日 1992年6月25日
Published Date 1992/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900582
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私は東京の下町で開業している小児科医です。以前はお産の多い病院で,新生児中心の小児医療に関わっていました。当時は新生児・未熟児医療の発展期で,毎年発表されるわが国の周産期死亡率,新生児死亡率は着実に下がっていきました。同時に出生数も減少してきました。出産も量から質へと変わり,分娩施設は生き残りをかけ,周産期医療において新しい試みにいろいろと取り組みました。
医療面では超音波エコーの使用,分娩監視装置,早産防止の強力な陣痛抑制剤の登場,NICUもでき,小児科医が分娩に立ち会う頻度も多くなりました。お産に関する商業出版物も増え,さまざまな情報を提供するようになり,産む側も主体的にお産に対応する人が増え,医療側もそれを取り入れようとする姿勢が出てきました。医療面のみならず妊娠のニーズに応えるさまざまな試みがなされ,お産の多様化といわれ今日に至っています。
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