こどものことをもっと知ろう 第29回
小児科医が恐れる急性心筋炎
井手 健太郎
1
Kentaro IDE
1
1国立成育医療研究センター 手術・集中治療部集中治療科
pp.868-871
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202066
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
麻酔科研修医:昨日の小児科病棟での患者急変は,急性心筋炎でECMO(体外式膜型人工肺)になったんですね。心筋炎なら最初からICU入室じゃないんですか?
麻酔科指導医:そのとおりだけど,腹痛と嘔吐で急性胃腸炎としての入院中に心停止したそうだよ。急性心筋炎は呼吸器症状や消化器症状といった非特異的な症状で発症することが多く1),診断されるまでに2度以上救急外来を受診している症例が約80%との報告もある2)。初診時の診断がしばしば困難なうえに,急速な心原性ショックや致死性不整脈を発症するんだ!
麻酔科研修医:それは怖いですね。心筋炎の診断ポイントを教えてください。
Copyright © 2021, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.