徹底分析シリーズ 麻酔科からの「お・も・て・な・し」—ラグビーワールドカップ,そしてTOKYO2020
CBRNE対策の必要性—ノビチョクとトキシドロームを踏まえて
濵田 昌彦
1
Masahiko HAMADA
1
1株式会社 重松製作所
pp.676-678
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201423
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オリンピックのような大規模スポーツイベントにおいてCBRNE〔chemical(化学剤*1),biological(生物兵器),radiological(放射性物質),nuclear(核),explosive(爆発物)〕テロが実行された例はまだない。だからといって,それが将来も起こり得ないと考えるのは間違いであろう。英国で2018年3月に起こった元ロシア二重スパイとその娘に対するノビチョクによる暗殺未遂は,どこで何が起こっても不思議ではないという現在の不透明な情勢を表している。
本稿では,そのノビチョクの使用から見えてくる危険性とそのような化学テロにおけるトキシドローム(特徴的な症状・徴候から原因物質を大まかに分類・推定すること)の重要性,さらにオリンピック等におけるCBRNEテロ対策の必要性について述べる。
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