特集 公衆衛生はどう変わるか—保健所法改定を機に
[保健所法改定とこれからの地域保健—コンシューマーの立場から]
最前線の実態を踏まえて
矢野 平一
pp.956-957
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900813
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昭和55年秋(当時56歳),手足の動きが不自由になりはじめ,やがて家族や同僚に世話をかけるようになり,病院の門をいくつか叩いたが病名がわからず,悶々とした日々を送った。昭和56年8月,脊髄小脳変性症という病気で,現代の医学では原因不明で治療方法もないと宣告された。その時は,社会から見捨てられてしまったような深い孤独感におちいった。月日が過ぎるとともに,身体の自由もままならない,歩行も困難,言語も不自由な1種1級の身体障害者になった。それでも「きっと同じ病気の人がいるに違いない」と思っていたところ,友の会のことを知り,さっそく入会手続きを取り,全国脊髄小脳変性症友の会に入った。1人で悶々と日々を送るより,同病者が励まし合い,情報の交換をすることにより闘病生活が随分楽になった。
難病ということで,世間に背を向けて家に閉じ込もっている方もあるだろう。しかし,そのままでは決して良い結果は生まれない。情報を得るには家より外へ出ることだと思った。
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