連載 「健康格差社会」への処方箋・8
「健康格差」対策の総合戦略―ヨーロッパの到達点を踏まえて
近藤 克則
1
1日本福祉大学社会福祉学部
pp.444-450
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100789
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わが国に「健康格差」があることは,いまだに広く受け入れられているとはいえない。まして,それへの対策を考える必要性やその中身などについて,わが国では保健医療専門職のなかですら論議が巻き起こっているとはいいがたい。
しかし,ヨーロッパの国々やWHOに目を向けると,すでに健康格差があること,その原因が健康を決定する社会的な要因(social determinants of health)にあることを認め,削減目標まで掲げて,総合的な対策を講じている国々もある1)。
本連載も,いよいよ第3部である。今回は,ヨーロッパの到達点を踏まえ,「健康格差社会」への処方箋(対策)の総合的な戦略の枠組みを考える。
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