症例カンファレンス
複数回の全身麻酔既往のある肥満小児の下腿ボトックス®注入療法
宮津 光範
1
,
北村 佳奈
1
,
一柳 彰吾
1
,
古田 真知子
2
,
青山 和由
3
,
糟谷 周吾
2
,
橋本 学
4
,
虻川 有香子
5
Machiko FURUTA
2
,
Kazuyoshi AOYAMA
3
,
Shugo KASUYA
2
,
Manabu HASHIMOTO
4
,
Yukako ABUKAWA
5
1あいち小児保健医療総合センター 麻酔科
2国立成育医療研究センター 麻酔科
3Department of Anesthesia and Pain Medicine, The Hospital for Sick Children
4国立がん研究センター東病院 麻酔科
5東京慈恵会医科大学附属病院 麻酔科
pp.619-637
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201413
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
今回の症例カンファレンスは,小児麻酔にありがちな気道緊急とか生命の危機とかを扱うものではない。純粋に“麻酔の質”をテーマとしている。
小児麻酔における“よい麻酔”,“求められている麻酔”とはどのようなものだろうか? 外科医をはじめとする医療者が求めるのは,「安全に手術するための麻酔」であろう。一方,小児患者やその保護者が求める麻酔は,「術後の痛みが少ない」のは当然として,「気持ち悪くならない」「暴れない」など,満足度に直結するものが多い。これらの要望は成人の麻酔においては特別なことではなく,すでに多くの施設で当然の如く追求されているのだから,小児であっても成人同様に追求していきたいところである。
今回は,背景の異なる三つの施設からPLANを提示してもらった。保険適応や安全上の制約があるなか,それぞれの施設で実施可能な工夫と努力が示された。いずれも,医療者だけでなく,小児や保護者にとっても満足度の高い“よい麻酔”を提供していこうという気概が感じられる内容である。自施設にとって,どの方法,どの部分なら採用できるかを考えながらご一読いただきたい。
Copyright © 2019, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.