Japanese
English
症例報告
外傷の既往なく生じた下腿筋ヘルニアの1例
A Case of Muscle Hernias of the Lower Legs without History of Injury
陳 科栄
1
,
笠原 廷子
1
,
中山 秀夫
1
Ko-Ron CHEN
1
,
Nobuko KASAHARA
1
,
Hideo NAKAYAMA
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Saiseikai Central Hospital
キーワード:
筋ヘルニア
Keyword:
筋ヘルニア
pp.1269-1272
発行日 1990年12月1日
Published Date 1990/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900245
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49歳女,20年間織物を職業とし,外傷の既往なく,両下腿下部左右対称に生じた筋ヘルニアの1例を報告した.立位で両下腿に皮膚腫瘤が出現し,臥位で消失する.経過中,左足背の知覚異常も認められた.生検にて浅腓骨神経の足背皮神経への分岐部で筋膜の欠損部より短腓骨筋の露出が認められた.このように,筋膜腔内の神経や血管が筋膜を貫通して皮下組織に出るところでは,解剖学的に筋膜が弱くなるため,ヘルニアを起こしやすく,左右対称に認められることが多い.自験例のような非外傷性ヘルニアは外傷性のものより頻度が多く,腫瘤が小さく,自覚症状が少ないため,日常診療上偶然に見つかることもあり,この疾患の諸臨床特徴の知識があれば容易に診断することができる.
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