増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
1 眼瞼
眼瞼痙攣のボトックス注射
木村 亜紀子
1
1兵庫医科大学眼科学講座
pp.32-33
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213729
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治療法の概要
眼瞼痙攣の患者が「瞼がピクピクする」と訴えることはまずない。「瞼を閉じていたほうが楽」「まぶしくてしょぼしょぼする」「瞼がいったん閉じてしまうと開かない」という訴えが多い。軽症例ではドライアイとほぼ主訴が同じであることから,ドライアイ治療に抵抗する,あるいは無効例には眼瞼痙攣を疑い瞬目テストを行うとよい。重症例では機能的失明状態となり診断は容易である(図1)。
眼瞼痙攣の診断には瞬目テストが簡便で有用である。瞬目テストには「軽瞬テスト」「速瞬テスト」「強瞬テスト」があるが,臨床的には「速瞬テスト」がわかりやすい。「できるだけ早く瞬きをしてください」と指示し,速い瞬目をさせる。途中でリズミカルな瞬目ができなくなり強く閉瞼したり,開瞼ができなくなったりすれば陽性と判断する。軽症例も見逃すことのない有用な検査で,30秒程度行えば十分判断できる1)。
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