特集 外来機能はどうあるべきか
巻頭言
猪口 雄二
1
1寿康会病院
pp.365
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102048
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
2006 年度は,医療制度改革の年といわれており,実際多くの制度改革が国会で審議される.それは,医療提供の骨格となる医療計画の改革,医療法人制度の改革,慢性期入院医療の再編・病床減,高齢者医療制度の創設等,様々な方面での改革となる.しかし,その中には「外来の機能分化」については描かれていない.一方で,新規開業は近年かなり増加しており,同時に病院勤務医師は臨床研修医制度改革の影響もあり,不足・アンバランスが著しく,それは地域によっては病院の存続にもかかわる問題となっている.
現在,標榜科は自由であるにもかかわらず,新規開業医は何らかの専門家である.したがって,あまり知識のない科目も標榜できてしまう.また,「かかりつけ医」「家庭医」「プライマリケア医」など様々な呼び名で称される一次医療の担い手は,資格もなければ,教育制度もほとんどない.病院の外来は複数科があり,複数の専門科を受診しても一医療機関の受診として扱われるため(一部平成18 年診療報酬改定で是正されたが),自己負担が診療所より廉価であることを多くの国民が知っている.このことが病院への患者集中となっており,特に200 床以上の病院にはそれが顕著となる.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.