特集 輸血2018―限りある資源を安全に,有効に活用するために
特殊な状況での輸血
ABO不適合移植後の輸血
上條 亜紀
1
Aki KAMIJO
1
1横浜市立大学附属病院輸血・細胞治療部
キーワード:
ABO式血液型
,
主不適合
,
副不適合
,
主副不適合
Keyword:
ABO式血液型
,
主不適合
,
副不適合
,
主副不適合
pp.819-823
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_819
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Summary
▪通常の輸血用血液製剤は,ABO式とRhD一致(または適合)の製剤を輸血する.
▪造血幹細胞移植ではHLA適合を優先するため,ABO式血液型が異なる血液型不一致の移植も行われる.
▪造血幹細胞後からドナー造血確立までの輸血は,患者とドナーのABO式組み合わせに応じて,同一患者に対して製剤ごと(赤血球液/血小板濃厚液・新鮮凍結血漿)に異なる血液型の複雑な輸血が高頻度に発生する.
▪特殊で複雑なABO/Rh不一致の異型輸血を行う可能性があるため,スタッフ教育および誤投与防止のシステムの整備が必須となる.
▪生着後の造血はドナー由来の造血に置き換わるため,ABO/Rh不一致異型移植後患者の血液型検査は非典型的な型を呈し,血液型の判定や輸血実施に迷うことがある.
© Nankodo Co., Ltd., 2018